エアコン内部が汚れることの弊害(その2)

 エアコン内部が汚れることの弊害(その1)では、 室内機内部が汚れることによる冷房効率の低下について説明しましたが、更にこのような弊害が起こる可能性があります。

 まずエアコンの仕組みについて簡単に説明します。

エアコンの仕組み

エアコンの仕組み

 一般的な家庭用エアコンは、室内機及び室外機から構成されています。

それぞれに熱交換器があり、その間を冷媒(いわゆるフロンです)が循環しています。

 緑の矢印の方向に冷媒が循環しています。

 また、室外機の内部にはコンプレッサーと呼ばれる冷媒を圧縮する装置があります。

 

コンプレッサーで圧縮された冷媒(図中1)は
室外機内の熱交換器で冷やされます(図中2)。

 

1~3の過程の赤い部分は冷媒が気体であることを示しています。

 冷やされた冷媒が室内機へ向かう過程で液体に変化し、室内機側の熱交換器に到達します。そして熱交換器内では、室内の空気を冷やした代わりに熱を貰い、再び冷媒は液体へ変化し、コンプレッサーへ戻ってきます。

図の青い部分は冷媒が液体である事を示しています。

 エアコン内部が汚れると エアコン内部が汚れることの弊害(その1)では熱交換器内で上手く熱の受け渡しが行われず、空気が冷えない為、冷房効率が下がることを説明しました。
ところが冷媒側では、逆に熱を十分に貰う事が出来ずに、冷媒が完全に気体に変化できなくなる可能性があります。
その場合、完全な液体もしくは液体と気体の混合物がコンプレッサーに送られることになります。
  実は、コンプレッサーに液体が送られるのが余り良くないのです。

コンプレッサーに液体は、何故よくないのか?

以下の写真を見てください。

 下の写真は注射器を使って簡単な実験をしたものです。今でも変わっていなければ、小学校でやる実験です。

ピストン1ピストン2
 上の写真は注射器内に空気を入れて指で押した写真です。左が押す前、右が押している時です。圧縮された空気の体積が減っているのが判ります。
ピストン3ピストン4

 一方こちらは、注射器内部に液体(色つきの方が判りやすいので、中身は麦茶をいれました)を入れて指で押した写真です。空気のときと同じ様に左が押す前、右が指で押した時です。

 空気の時とは異なり、殆ど圧縮されません。(殆ど変化が無いですが、きちんと押していますよ。おかげで指が痛かったです)

 以上の実験でもお分かりになると思いますが、液体気体に比べて非常に圧縮するのが困難な性質なのです。

 麦茶と注射器の場合は指が痛くなるだけで済みましたが、これを冷媒とコンプレッサーの場合に置き換えて考えてみてください。

 正常な状態ならば冷媒は、気体でコンプレッサーに送られて来て圧縮されるので問題ありません。
  しかしエアコン内部が汚れ、熱の受け渡しが上手く行われず、液体混じり、もしくは全て液体のままの冷媒が送られたとすれば、コンプレッサーには相当の負荷が掛かる筈です。

 当然、電気代も掛かるでしょうし、コンプレッサーの寿命にも影響を及ぼす可能性があります。

  室内機の熱交換器が汚れただけで、このような弊害が起こる可能性があるのです。
「エアコンの電気代がかさむ」とお感じになったら、エアコンクリーニングを検討してみてください。
冷房効率がよくなるだけでなく、エアコンの寿命を延ばす可能性もあります。

※エアコンクリーニングを実施しても、必ずしも上記の効果が現れるわけでは有りませんのでご注意ください。


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